【英語の現在完了形とは?わかりやすく解説】なぜhaveが使われる?have+過去分詞形を使う理由
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【英語の現在完了形とは?わかりやすく解説】なぜhaveが使われる?have+過去分詞形を使う理由
学生時代に「have + 過去分詞形!」と呪文のように覚えさせられませんでしたか?
でも考えてみると、haveには「持っている」という意味があります。それなのになぜ have が使われるのでしょう?過去分詞形の働きもよくわかりませんよね。
文法の中でも時制は使用頻度がとても高い重要な項目です。その時制の一つである現在完了形を理解して英語力をアップさせましょう。
英語の現在完了形(have + 過去分詞形)って何?
それではまず現在完了形(have + 過去分詞形)とは何かという解説です。読んで字のごとく「現在」「完了」する、つまり「今終わった」ことを伝える表現です。
では「今終わった」という言葉をよく考えてみましょう。「今終わる」ということは過去に何かが始まっているということです。昔に始まったことが今につながるという考え方です。
過去形と何が違うの?
過去形と現在完了形の違いはわかりにくいですよね。
なぜこの2つの文法で迷ってしまうのでしょうか?日本語訳の表面的な意味だけで判断することが原因の一つです。「〜した」と「た」がつけば、過去形にしておけばいい、と考えていませんか?
例えば、「ご飯を食べた」という表現があったとしましょう。あなたならこれを過去形で表しますか?それとも現在完了形で表しますか?
過去形だという場合は訳が「食べた」となっているから昔の話をしていると捉えているのでしょう。
反対に現在完了形だという場合はさっき食べ終えて今お腹いっぱいの状態だと捉えているのだと思います。
結論から伝えると、「ご飯を食べた」という情報だけでは判断できません。日本語訳に基づいた英語学習では判断するのは難しいのです。
それは正しい判断基準を持っていないから。それでは正しい判断基準とは何なのでしょう?
英語の過去形と現在完了形の使い分けの判断基準とは?
使い分けの判断基準は「映像」です。
これはどういうことかというと、「ご飯を食べた」という日本語を見聞きしたときにどんな状況が映像として思い浮かぶかということです。
たださすがに「ご飯を食べた」だけでは状況が見えてきません。少し言葉を補ってみましょう。
⑴ 昨日は11時半にご飯を食べた。
⑵ さっきご飯を食べたから、仕事に戻ります。
どちらも「ご飯を食べた」という表現を使いましたが、状況は異なります。
⑴ は昨日の話をしていて、今日や一昨日の話をしてはいません。もちろん現在への繋がりもありません。
それに対して⑵では少し前にご飯を食べ終わり、今お腹がいっぱいであるという現在への状況へつながりがあります。
周辺の言葉が補われて、⑴は現在から離れた過去の1点の話をしています。それに対して⑵は過去に起こったことが現在へとつながる話をしています、映像レベルで差が出ました。
残念ながら日本語訳だけでは判断できないのです。
過去形と現在完了形の使い分けの判断基準は「映像」上、現在を含むか含まないか、です。この「映像」の違いというのは言い換えると「文脈」の違いです。ちなみに文脈の話に関連して、「ご飯」をどのように訳すのがいいでしょうか?
「ご飯」は “breakfast” にも “lunch”にも “dinner” にもできますが、どれがいいでしょう?これも文脈の問題です。
「11時半に」とあるので、お昼ご飯と捉えるのが自然でしょう。
⑵の文も誰かに何かを聞かれ、それに対する答えが⑵の文だと考えてみましょう。その場合、お昼ご飯に行き仕事に戻ったというのが一番自然な捉え方でしょう。
もちろん晩ご飯の可能性もありますが、これはさらに文脈を推測する別の文がなければ、確信を持ってdinnerとすることはできません。間違いではないですが、どの言葉を選択するのが一番自然かを考えて、言葉を選んでください。
それでは、上記の2文の英訳です。
I had lunch at 11:30 yesterday.
I have just had lunch, so I’ll get back to work.
言葉の成り立ちが分かれば、考え方は簡単。現在完了形は一般に「have + 過去分詞形」という形にすると習っています。でもなぜそんな形を使うのかは教えられていないと思います。
ここでは、「have + 過去分詞形」の成り立ちを説明します。
「have」の考え方
have は本当に様々な意味・使い方があります。代表的なものは以下のとおり。
持っている
食べる
飲む
してもらう・される(使役動詞)
現在完了
他にもいろんな訳があるんですが、ここにも訳至上主義が悪影響を与えています。
訳に捕らわれてしまうと、haveの訳はいくつ覚えないといけないんでしょうか?僕はほとんど覚えていません。考え方さえわかれば文脈から意味が決まってくるからです。
ではその考え方とはどういうものか。これです↓
この考え方だけです。上記に挙げたケースを全て確認してみましょう。
(1) I have a good idea.
良い考えがあります。
(2) I’m having lunch now.
今昼食をとっています。
(3) He’s having beer.
彼はビールを飲んでます。
(4) I’ll have him call you.
彼に電話させます。
(5) I’ve already had lunch.
もうお昼ご飯を食べてしまいました。
どの例でも「取り込む」を意識してください。
⑴ 私が良い考えを「取り込む」 → 良い考えがある
⑵ 私が昼食を「取り込んでいる」最中 → 昼食を食べているところ
⑶ 彼がビールを「取り込んでいる」最中 → ビールを飲んでいるところ
ここまではわかりやすいケースだと思います。
以下の(4)と(5)の2つに関しては別の知識をお伝えしておきます。それはある言葉の右に別の言葉を置くと補足になるということです。
⑷に関しては「him」と「call you」が並べられています。
「彼」「あなたに電話する」。
今、2つの表現が並んでいるだけですが、自ずと「彼があなたに電話する」と捉えませんか?このように並べると関係が生まれる、というわけです。
では⑷と⑸を考えてみましょう。
⑷ 私が(彼があなたに電話するという状況)を「取り込む」 → 彼に電話をさせる
⑸ 私が(お昼ご飯を食べた)ということを現在で「取り込む」 → 食べ終わったところ
こんなふうに「have」とはどこまでいっても「取り込む」というのが本質的な考え方です。
それではなぜ現在完了形でhaveが使われるかというとそれは昔に起こったことを現在で取り込み、現在へのつながりを伝えるためです。ちゃんと「それで今に至るんですけどね」というニュアンスを出しているんです。
「過去分詞形」の考え方
過去分詞形は2つの働きがあります。
1つは「すでに済んだこと」をいう場合です。
一般に「完了」と言います。
そしてもう1つは「〜される」という場合です。
一般に「受け身」と言います。
そもそも分詞という言葉は「分かれる品詞」という言葉の成り立ちです。これは元々動詞だった単語が「動詞」と「形容詞」の機能に「分かれる品詞」だと思ってください。
文脈によって動詞または形容詞のように働くという意味です。具体例で考えてみましょう。
京都に何度か行ったことがあります。
京都は現地民も外国人も訪れる最も人気にある場所の一つです。
⑴のケースでは動詞的に機能していますが、⑵のケースでは 「the most popular places」を修飾する形容詞としての働きです。
今回の現在完了形では過去分詞形が動詞的な働きとして機能し「すでに済んだ話」をするために使われていると思ってください。
「現在完了形(have + 過去分詞形)」の考え方
ここまで説明を理解すれば、あとは「have」の考え方と「過去分詞形」の考え方を合体させるだけです。ここでおさらい↓
=
取り込む
=
すでに済んだこと
すでに「過去」で済んだことを「現在」で取り込む表現、それが「現在完了形」です。
学校では「結果用法」「完了用法」「継続用法」「結果用法」と、これを覚えたところで瞬時に判断できるのかな?と疑問を抱くような教え方をしています。
しかし、全てに共通するのは
それだけです。具体例で考えてみましょう。
具体例を通して、理解を深めよう!
それでは具体的に4つの用法を通して、考えてみましょう。ここで断っておきますが、細かい用法を理解してほしいわけではありません。その奥にある本質に触れてください。
どの考え方も結局は「昔に起こったことが現実につながる」ということ。このポイントを確認してください。
結果用法
彼はすでにアメリカに行ってしまいました。
gone という言葉で昔にアメリカへ行ったことを伝え、それを have で今の現状につながっていることを伝えてます。昔にアメリカに行ってしまっているので、現在は元いた場所にはいません。
その場を離れて、今アメリカにいることを伝えています。なので、「行ってしまった」という意味になります。
これが守られています。
完了用法
ちょうど読書が終わったところです。
現在よりもほんの少し前の過去の時点で読書が終わり、読み終わって今何もしていないという現在につながっています。
「ちょうど~したところだ」というような意味合いになりますが、よくよく考えると、この表現は過去で起こったことと現在が近い時間で起こっているケースが多いです。
絶対というわけではありませんが、現在と近いからこそ、現在につながりやすいわけです。
でもそれも結果的にそうなりやすいだけであって、本質的には以下のことが守られているだけです。
継続用法
大阪に10年住んでいます。
これも全く同じ考え方です。
10年前から大阪に住み始めて、その過去を現在へと have でつなげているわけです。だから結果的に10年間続くこと、つまり「継続」していることに関して現在完了形が使えるわけです。
ここで注意しておきますが、現在も住んでいないと現在完了形は使えません。昔、10年大阪に住んでいたのであれば、現在へのつながりがありませんからね。
必ず、現在につながりがあるときは現在形のhaveを使います。
経験用法
ワラビーを2回見たことがあります。
過去分詞形は「昔に済んだこと」haveは「現在に取り込む」です。昔にワラビーを2回見たわけです。
その2回見たという事実が現在につながっているので、現在までに2回ワラビーを見たという経験がある、と伝えているわけです。
わざわざ経験用法と覚えるようなことではなく、文脈上、昔に起こったことを現在に取り込んだら、経験として理解できたまでのことです。
考え方は一貫して以下の通りです↓
これをしっかり押さえて、現在完了形の考え方をマスターしてください。
現在完了形(have + 過去分詞形)の否定文の作り方は?
現在完了形の否定文の作り方はとても簡単です。「have + 過去分詞形」のhaveの後ろにnotを入れるだけです。短縮形は「haven’t」です。例文で確認しましょう。
他にもneverという「決して〜ない」という単語を使って否定することも可能です。例文で確認しましょう。
haveの後ろにnotやneverをおけばいいだけです。簡単ですね。
現在完了形(have + 過去分詞形)の疑問文の作り方は?
疑問文も簡単に作ることができます。主語とhaveを逆にして疑問文を作る。たったのこれだけです。例文で確認しましょう。
↓
Have you finished your homework?
否定の形で以下のような形でも主語とhaveを逆にすることは変わりません。
これも単純なルールで「主語とhaveの順番を逆にする」だけです。
現在完了形(have +過去分詞形)と過去完了形(had + 過去分詞形)の違いは?
ここは英語学習者を悩ませます。現在完了形と過去完了形の違いを知りたければ、なぜ現在完了では「have」が使われ、なぜ過去完了では「had」が使われるのかを考えると判断がつきやすくなります。
結論から話すと、この違いはどの時点に話が繋がっていくか、というポイントを見極めることです。例文で解説します。
もう宿題終わったよ。
この現在完了形の例文では過去で宿題が終わって、今は何もすることがない、という現在に繋がっているので、現在に繋げるために現在形のhaveを使っているわけです。
君が7時に帰ってきた時にはすでに宿題終わってたよ。
今度は過去完了形の例文です。7時に君が帰ってきた、という過去のポイントを作り、その時点よりも前に宿題が終わっていて、7時の時点では何もすることがなかった、ということを伝えています。7時という過去のポイントに繋がっているので、過去形のhadを使っています。
現在完了形と過去完了形の違いというのは「現在に繋がるのか過去に繋がるのか」を考えると判断がつきます。
さらに詳しい解説はこちらで説明しています。
現在完了形(have + 過去分詞形)と未来完了形(will + have + 過去分詞形)の違いは?
こちらも上記と同じでどの時点につながっていくのかということを考えれば判断がつきます。これも例文で考えてみましょう。
来月でこの会社で働き始めて5年になります。
この文では will have worked と未来完了形が使われています。現在の時点では4年と11ヶ月働いている状況ですが、来月が来ると5年働いたことになるので、未来の時点につながっています。そのため未来で取り込む表現として「will have worked」という形を採用しているというわけです。
現在完了形(have + 過去分詞形)と現在完了進行形(have + been + Ving)の違いは?
現在完了形と現在完了進行形は同じような文脈でも使われますが、大きな差になるケースは以下のようなケースです。
もうそのマンガ読んだよ。
朝からずっとマンガを読んでます。(今も読んでいる)
この2文の違いですが、1文目は過去に読んでしまって、今はもう読んではいないことを伝えていますが、2文目は過去から読み始めて今も読んでいるということを伝えています。
Ving形(現在分詞)というのは、イメージが「動いている」という感じです。現在に取り込まれるものがVingで動いているので、現在でもまだその行動は動いている、つまり完了していないというわけです。
このVingのイメージについては現在分詞の項目で詳しく説明しているので、詳細を知りたい場合はこちらをご覧ください。
現在完了形(have + 過去分詞形)と一緒に使われる副詞表現
現在完了形で一緒に使われる副詞はこちらです。例文で紹介します。
ちょうど朝ごはんを食べ終わったとこ。
ついさっき終わったことに使われます。現在に限りなく近い過去で何かが起こるので、現在につながりやすくなり、現在完了形との相性が良い表現です。
彼女はもう仕事に行っちゃったよ。
alreadyはすでに過去で何かが起こっているので、現在は状況が違うことを伝えられます。これも現在につながる考え方なので現在完了形との相性が良い表現です。
妹はまだクイズの答えを教えてくれていません。
stillはまだという意味で過去でまだやっていないことが現在までつながっていることを表現します。現在につながっているので現在完了形と一緒に使われます。
もう仕事終わった?
yetは疑問文で使われると「もう」という意味になります。過去でもうすでに終わっていて、今の状況はどうかと聞いている表現なので、現在とのつながりを表現しています。そのため、現在完了形との相性が良い言葉です。
まだ始めてもないよ。
yetは否定文では「まだ」という意味です。過去でまだ終わっていなくて、それが現在までつながっています。現在につながる表現なので、現在完了形と一緒に使われます。
数日間ずっと忙しかったんです。
期間を表す言葉がforです。過去から現在に至るまでの期間を表すので、現在へのつながりがあります。そのため、現在完了形でもよく使われる表現です。
1990年から父は会社勤めをしています。
sinceは過去の起点を表します。fromと違って、sinceは現在へのつながりを暗に意味します。そのため現在完了形でよく使われる表現になっています。過去完了形と一緒に使うことも可能です。
なんで早起きできないか今までに考えたことある?
ever は本来「あらゆる時間」という考え方です。現在完了形と一緒に使われる場合は過去の時点から現在に至るまでのあらゆる時間という理解になるので「今までに」という訳が当てはまるというだけです。
今まで考えたことありません。
never は過去から現在に至るまで一度も該当しない場合に使える副詞です。「決して〜ない」と覚えている方が多いのでは?と思いますが、過去の時点から今に至るまで一度もないということです。
現在へのつながりがあるので、現在完了形でよく見る形ですが、現在形や過去形と一緒に使っても問題ありません。
まとめ
現在完了形(have + 過去分詞形)
=
昔に起こったことが現実につながる
have
=
取り込む
過去分詞形
=
今までにすでに済んだこと
(※受け身の意味もあります)
用法を覚えるのではなく、文脈上、昔に起こったことが現在に取り込まれるとどんな意味に捉えられるかをしっかり考えることです。
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